「朝10分でできるお弁当」

自問する。


この手のタイトルの本を何冊買っただろう。

そして、10分でお弁当が完成したことが
一度もないのはなんでだろう。


「10分で」と言っても、
前の晩のおかずを詰めて10分、
ではないのがこの手の本のすごいところ。

「鶏の照り焼き、卵焼き、ニンジンの胡麻和え、きゅうりとわかめの酢の物
レンジとコンロをフル活用すれば、10分で4品できます」という神業のような内容。

へ?イチから4品を?
鶏と卵とニンジンときゅうりとわかめを冷蔵庫から出して、
卵以外を適切な大きさに切って、
それぞれの調味料を所定の場所から出して、

調理用具を準備して・・・
と、考えるだけで10分など過ぎてしまうではないか。
しかも、私が苦手とする詰め方も美しい。
こんな風に詰めろと言われたら、詰めるだけで間違いなく30分は必要だ。


今まで見落としていたが、タイトルをじっくり見てみると、
「下ごしらえしてあれば」
という文章がうすーくカッコ書きになってるんではないだろうか。と訝ってしまう。

材料はきれいに切り分けられ、
調味料はすべてきっちり計量されて小皿にスタンバイ
もちろん、一つの小皿にまとめたりなんかしない、
塩は塩、しょうゆはしょうゆ、酒は酒、みりんはみりん。
調味料の数だけ小皿をふんだんに利用。

たとえ皿一枚でも、箸1本でも、
なんとかして洗い物を減らそうと血のにじむような努力をしている私からすると、贅沢の極みである。

あぁ、こんな環境でお弁当を作ってみたい・・・。